国産プラネタリウム投影機ミノルタMS-10とは
山口県山陽小野田市埴生地区にある青年の家プラネタリウム。
⇩ 1966年の設置以来57年の歴史を持つ、国内稼働最古級の国産プラネタリウム投影機ミノルタMS-10です。
⇩ 山陽小野田市のウェブサイトには、以下のように説明されています。
「Minoitaplanetarium」
形式:MS-10
製作番号:1005
製作年月:1966.4
ミノルタカメラ株式会社青年の家のプラネタリウムは、ミノルタMS-10という機械で、現在日本で稼動している中で一番古いものです。
引用元:山陽小野田市 青年の家(天文館)
(1966年4月製作。5月に設置。)
最近のプラネタリウムはコンピューター化が進み全自動ですが、青年の家のプラネタリウムはすべて手動で操作されます。
見たい季節の星座や天体を自由に変えて学習することができる便利さを備えています。
プラネタリウム投影機ミノルタMS-10最後の投影イベント
57年前の遺産級のプラネタリウム投影機は白熱電球を光源とし、手動で操作されるというノスタルジックな装置です。
しかし光源である白熱電球の生産が終了していることと、手動操作の投影機を動かせる人の確保が困難ということで、残念ながら57年の歴史に幕を閉じることとなりました。
プラネタリウム投影機ミノルタMS-10最後のイベントとして、はぶフェス2023「天文館ファイナル!」が開催されたので行ってきました。
⇩ パンフレットには、このプラネタリウム投影機について詳しく載っています。
⇩ 入場券配布前から多くの人が並んでいましたが、無事入手できました。
⇩ 開館当時の約60年前は、かなり斬新な建物だったのではないでしょうか。
この建物も高度成長期の昭和遺産の趣がありますが、海沿いにあるためかなり傷んでおり、残念ながら取り壊しが決定しているそうです。
⇩ ロビーからプラネタリウム入り口のドア。「禁煙」の文字や出入り禁止のプレートが良い味出してます。
⇩ 看板職人の手書きの注意書きも、今では貴重な逸品です。
⇩ そして入り口を入ると真っ先に目に入ってくるのが、このプラネタリウム投影機。
⇩ 投影機がよく見えるように明るさを加工しました。
⇩ 投影機をぐるっと囲むように椅子が配置されています。
⇩ 椅子は座ると背もたれが倒れる仕様です。
⇩ 方向を示すサインもレトロで良いです。
⇩ プログラムが始まる前には「天文館ファイナル」と投影されていました。
「天文館ファイナル!」では、小さなお子様連れのご家族が多く、この時だけは子供の多かった昭和の時代に戻ったようでした。
プラネタリウムの投影中、真っ暗になりたくさんの星が投影されると、「わーきれいーーー」と歓声を上げる小学生と、幼児の「怖いーーー」との泣き声、それぞれの子供たちのビビッドな反応がなんとも微笑ましく、「三丁目の夕日」さながらの昭和ノスタルジーな世界でした。
⇩ 開館当時の写真が展示してありました。まさにこの時代にタイムスリップしたような1日でした。
このプラネタリウム投影機ミノルタMS-10は、コニカミノルタ社に引き取られるそうですよ。
⇩ なおこの青年の家プラネタリウム投影機ミノルタMS-10は、東京上野にある国立科学博物館から「重要科学技術史資料」に登録されました。
⇩国立科学博物館の過去記事です⇩ ぜひ見てね!